車の下取りの相場情報はどう役立てる?下取りだけじゃない!相場がわかれば、自分に合った車の売り方が見つかる!

この記事を書いた人

上海交通大学修士課程修了後、新卒で中古車業界最大手に就職。営業の現場から経営戦略まで幅広く業務を経験。 2022年に(株)Contigoを設立。

車の売却を検討し始めたときに、最初に知りたいことは今お乗りの車が「いくらで売れるか」ということではないでしょうか。

インターネットの普及で、かつては一般の利用者は知ることができなかった下取り価格の相場を、個人情報なしで調べることができるツールも登場しています。しかし、相場価格がわかっても、それをどのように役立てればいいかまで、実際にイメージできていない方も多いと思います。

この記事ではまず、「下取り」で本当に車を高く売れるのか、他の方法と比較して整理します。売る方法について再考したうえで、相場の情報をどのように役立てればよいかをお悩み別に解説します。最後に、実際に個人情報なしでご自身のお乗りの車の価格を確認できるツールをご紹介しています。

この記事をお読みいただければ、最適な方法・タイミングでご自身の車を売却する方法が見つかります。ぜひお読みください。

車の売却方法は様々!下取りは車を最も高く売れる方法なのか?

ディーラーへ下取りに出す以外にも様々な車の売却方法があります。
ここでは、まずディーラーに下取りに出すメリットとデメリットを整理し、そのうえで、その他の売却方法について検証します。

【下取りと買取の違い】ディーラーへの売却のメリットとデメリット

まず、ディーラーに売却するメリットとデメリットについて考えてみましょう。

ディーラーに下取りに出すメリット

ディーラーに下取りに出すことによって、得られるメリットは以下の2点です。

高い信頼性

メリットの1点目は、ディーラーは自動車メーカーの正規販売店であるため、信頼して車を売却することができる点です。

「新車を買った際にお世話になったから」「長いお付き合いだから」といった理由でディーラーへの下取りを選ぶ方が多いのも、信頼しているからこそです。

手間の省力化

メリットの2点目は、新車の購入と乗っている車の下取りを1度に済ませることができる点です。また、新車に乗りかえるまでの間、今乗っている車に乗り続けられるのもメリットといえます。

ディーラーに下取りに出すデメリット

次に、ディーラーに下取りに出すデメリットは以下の2点です。

下取り額の使用用途が限定される

デメリットの1点目は、下取り額の使用用途が同じメーカーでの新車の購入に限定されてしまう点です。違うメーカーの車への乗り換えを希望していたり、車に乗るのをやめることが視野に入っている場合には、別の売却方法を検討する必要があります。

下取り額がわかりにくい

デメリットの2点目は、下取り額が曖昧になってしまうことが多い点です。下取りの場合、下取り額は新車の購入代金からの割引というかたちで提示されることが多いため、具体的な金額を知りたい場合は、下取り額を明確に示してくれるようお願いしましょう。

ほとんどの場合、査定は有料

デメリットの3点目は、ほとんどの場合、下取り額の査定にお金がかかる点です。メーカによって異なりますが、数百円~数千円の下取り車査定料が発生します。

「下取り」と「買取」の違い

ここまでディーラーに下取りに出す際のメリット・デメリットについて確認しました。

車の売却を検討しはじめると、「下取り」と似たような言葉で「買取」という言葉が目に入るようになると思います。実際、「下取り」と「買取」にはどのような違いがあるのでしょうか。

「下取り」と「買取」の特徴

一言でいうと、下取りとは、新車の購入を前提に今乗っている車を買い取ってもらうことです。
一方、買取とは、中古車の買取を行っている業者に今乗っている車を買い取ってもらうことを指します。

具体的には、以下のような特徴があります。

特徴向いている人
下取り・同メーカーでの新車購入が前提
・下取り車の新車or中古車、メーカーは問わない
買取と比較して下取り額は低い傾向にある
新車に乗りかえる予定がある
・手間と時間を省きたい
買取・中古車の買取を専門に行っている業者が行う
・買取する車の新車or中古車、メーカーは問わない
下取りと比較して査定額が高くなる可能性がある
・新車以外への乗り換えを検討している
多少の手間をかけても車を高く売りたい
・買取額を車以外の目的に使いたい

「下取り」と「買取」の違い

「下取り」と「買取」の違いのひとつに、査定額があります。一般的に、ディーラーでの下取りの金額よりも買取店の査定額の方が高い傾向にあります。

下取りをしているディーラーは、新車の販売がメインの仕事です。対して、買取店は、中古車を買取り、それを販売することで利益を得ているので、買取の時点で多くの同業他社と競いあっており、必然的に買取の金額が上がります。

こうした、ディーラーと買取店のそもそもの業態の違いに加え、下取りの場合、車を手放すまで時間がかかることも下取り金額が買取金額に比べて低い一因になります。

中古車の相場価格は、毎日様々な要因によって細かく変動しています。1日違うだけで数万円、下手したら数十万円の差が出てしまうことも少なくありません。

下取りの場合、お客様は新車の納車まで今乗っている車に乗りづづけるため、新車の購入時点では正しい相場の価格を下取り価格に反映することができません。そのため、あらかじめ低い金額で下取りをすることで損をしないようにしているのです。

一方、買取の場合は、最短で査定した日に買取をし、直近のオークションに出品するか、あるいは店頭で販売するため、相場の価格を買取価格に反映させることができます。そのため、下取り価格よりも高い金額を提示することが可能になります。

【下取り以外の方法もある】一括査定、買取店への査定依頼、オークションへ  の出品代行のそれぞれの特徴

「下取り」と「買取」を比較したことで、「買取」に興味が湧いてきた方もいらっしゃるかもしれません。それでは、具体的に買取にはどんな方法があるのでしょうか。また、買取以外にも車を売却する手段はあるのでしょうか。

下取り、一括査定、買取店への査定依頼、オークションへの出品代行、それぞれの特徴

それぞれのサービスの特徴を詳しくみていきましょう。

手元に残るお金かかる手間入金までの時間
下取り×
一括査定
査定依頼
出品代行×

オークションへの出品代行を利用すれば手元に残るお金は増える

車を売却したあと、手元に残るお金が最も多いのは、オークションへの出品代行サービスを利用した場合です。

ここでいう「オークション」とは全国で開催されている業者専用のカーオークションのことで、オークションへの出品資格を有する代行業者に車の出品を代行してもらうサービスがあります。

ディーラーや中古車買取店も、お乗りの車を下取り、あるいは買い取ったあとはこのオークションに出品しています。ディーラーや中古車買取店を介さず、中間コストを省くことで、オークションへの代行出品を利用すれば、ディーラーの下取り額よりも平均7.5万円程度高く車を売却することが可能です。

ディーラーの下取りを利用すれば手間は省ける

最も手間を省くことができるのは、ディーラーの下取りを利用した場合です。

新車の購入と乗っている車の下取りを1度に済ませることができるので、面倒な書類のやり取りや、何度も店舗へ足を運ぶ必要もありません。

ただし、手間を省くことができるのは、あくまで同メーカーでの新車の購入を検討している場合に限られますので、その点に注意が必要です。

買取店への個別の査定依頼なら即日現金化できる

車を売却した際、すぐに現金を受け取れるのは、即日現金払いに対応している買取店を利用した場合です。

買取には一括査定という方法もありますが、一括査定に登録しているような買取店は大手であることが多く、保安上の理由から現金払いには対応していないことが多いです。

こちらの業者であれば、即日現金での支払いに対応してくれるので、車の購入以外の用途にもすぐに使用することができます。

下取り価格の相場の情報を役立てる方法とは?

ご自身の状況に最もあった売り方を選択するうえで役に立つのが相場の情報です。一方で、活用の仕方を知らなければ、相場の情報はただの数字でしかありません。

それでは、どのように相場の情報を利用すれば、ご自身にあった売り方を見つけられるのでしょうか。

【相場を知れば選択肢が増える】お悩みケース別相場情報の役立て方

以下、ケース別に相場の情報をどのように役立てるべきかを整理しました。

ただし、相場価格は日々推移しているため、具体的な下取り・買取金額については個別にディーラーや買取店へのお問い合わせをおすすめいたします。

相場情報を知ると…
乗り続けるか悩んでいる次の車検を通すべきか具体的に検討できる
乗りかえるか悩んでいる乗り換える車の車種やグレードの目処をつけられる
車に乗るのをやめるかどうか悩んでいる車を売るのにもっともいいタイミングがわかる

車に乗り続けるかどうか悩んでいる場合

今お乗りの車にこのまま乗り続けるか悩んでいる場合、相場情報を知ることで、次の車検を通すべきか具体的に検討することができます。

車検にかかる金額が車を売った場合の金額よりも多くなりそうな場合、車検を通すのではなく、車を乗りかえるor乗るのをやめるという選択もあります。

車を乗りかえるかどうか悩んでいる場合

今お乗りの車から新しい車に乗り換えるか悩んでいる場合、相場情報を知ることで、乗り換える車の車種やグレードの目処をつけることができます。

手元に残るお金が思ったよりも少なそうな場合、あらかじめどのように補填するかを家族と相談したり、車種やグレードについて再検討することができます。

車に乗るのをやめるかどうか悩んでいる場合

何らかのご事情で車に乗るのをやめるか悩んでいる場合、相場情報を知ることで、車を売るのにもっともいいタイミングを知ることができます。

相場価格が一時的に下がっている場合、自宅にガレージなどの駐車スペースがあれば一時抹消の手続きをして、一時的に保管しておけば維持費はかかりません。

相場価格を確認した結果、あまり買取金額に期待ができないようなら、廃車専門の買取店に依頼して買い取ってもらうという選択肢も検討できます。

【相場を知れば車が高く売れる】1年のうち車が高く売れるタイミング

相場を定期的にチェックしていると、1年のなかでも相場価格が高い時期と低い時期があることに気が付きます。1年のうち、車が高く売れるタイミングについてまとめました。

最も高く売れるのは1~2月

1年で最も車が高く売れるのは1〜2月です。

3月になると新学期や社会人の新生活等の環境の変化により車の需要が高まるため、全国の買取店はできる限りたくさんの在庫を確保しようとします。従って、平常時より多少高い価格でも、買い取ってもらえる可能性があります。

反対に4月は1~3月に買取を強化していた反動で、一気に需要が落ちるので、車を売るタイミングとしてはおすすめできません。

7~8月もおすすめ

つぎに車が高く売れるのは、7〜8月です。

9月は企業の配属替えの時期なので、転勤や転職をする人が多く、車の需要が高まります。また、夏のボーナスの時期ですので、車への購入意欲が高まります。

また、9月は買取店にとって半期決算でもあるので、売上を伸ばす為にも出来るだけ在庫の確保をしたいと考えています。

以上の理由から、3月ほどではありませんが、9月も車を売るのに適した時期です。

ちなみに、車は一般的に時間の経過とともに価値が下がるので、相場の情報をチェックしつつ、できるだけ早く車を売却した方が手元にお金が残ります。

また、繰り返しになりますが、相場価格は日々推移しており、上記以外の理由で価格が乱高下する場合もあります。具体的な下取り・買取金額については個別にディーラーや買取店にお問い合わせください。

あなたの車の価値はいくら?個人情報を入力せずに価格を知ることができる方法とは

車の相場を知っておくと、ご自身の車に対するお悩みについて選択肢を増やすことができるとともに、高く売れるタイミングで売却できることがわかりました。

こちらでは、個人情報を入力せずにご自身の車の価格を知ることができるツールをご紹介します。

【ディーラーの下取り価格をチェック】大手ディーラーのシミュレーションツール3選

まず最初に大手自動車メーカーの下取り価格シミュレーションツールを3つご紹介します。

トヨタ:自動車下取り価格シミュレーション

ひとつめはトヨタの「自動車下取りシミュレーション」です。

3ステップで今お乗りの車の下取り価格を知ることができます。トヨタ以外のメーカーの下取り価格も調べることができます。

                   
https://toyota.jp/service/tradein/dc/top

日産:かんたんクルマ査定

日産の「かんたんクルマ査定」は、車体画像とメーターパネル、車検証のQRコードを撮影して送ると、下取り価格がわかる仕組みを採用しています。

車の状態についてもチェックする項目があるので、実際の車両の状態を下取り価格に正確に反映することができそうです。

                      
https://ws.nissan.co.jp/satei/

ホンダ:買取価格診断

最後に、軽自動車売り上げナンバーワンのホンダでも「買取価格診断」で、下取り価格を調べられます。

会話形式でAIの質問に答えていく様式になっている点が特徴です。もちろん、ホンダ以外のメーカーの車の下取り価格も調べられます。

                     https://on.honda.co.jp/used_car_assesment

【買取店の買取価格をチェック】おすすめの査定金額シミュレーションツール3選

次に、買取店の買取価格シミュレーションツールを3つご紹介します。

ガリバー:中古車買取相場

ガリバーの「中古車買取相場」では、ガリバーが過去6ヶ月に買い取った車の価格のデータをもとに最低査定額と最高査定額を算出しています。

難点は、走行距離や年式の情報からより正確な相場価格を調べようとすると、個人情報の入力が必要になる点です。ただ、ざっくりとした金額だけ知りたい場合にはこちらのサイトを利用してもいいかもしれません。

https://221616.com/satei/souba/

株式会社ファブリカコミュニケーションズ:中古車買取相場データベース

「中古車買取データベース」では、「メーカー・車種」から入力していくと、自動的に項目が遷移し、詳細な情報までストレスなく入力することができます。個人情報の登録なしで詳細な条件を入力して相場価格を調べることができる点は利用者にとって大きなメリットです。

デメリットとしては、マーケティング会社が運営しているサイトのため、直接買取の窓口を持っていない点です。個人情報を入力して査定を依頼した場合、いろんな会社から営業の電話がかかってきて、対応に手間取る可能性があります。

https://car-sokuhou.com/

オートオークション.jp: 相場検索

最後にオートオークション.jpの「相場検索」をご紹介します。インターフェースはやや殺風景ですが、「メーカー」と「車種」さえ入力すれば、すぐにグレード別の相場価格が表示されるシンプルでわかりやすい仕組みになっています。また、データも実際のオークションでの取引価格を元にしているため、正確です。

弊社はオークション代行だけでなく、買取も行っているため、ご自身にあった車の売り方がわからずお悩みの場合には様々な選択肢のなかから最もお客様の状況に合った売り方をご提案できます。

https://auto-auction.jp/search/

まとめ

以上、車の下取りの相場情報をどう役立てればよいのかを記事にしました。

最後に、繰り返しになりますが、車の相場は毎日変動しています。数日で数万円、数百万円の乱高下も珍しいことではありません。個人情報の入力が必要ないシミュレーションツールは確かに便利ですが、あくまで下取り/買取している車の平均値をとっているため、100%信頼できる情報ではありません。

今お乗りの車をいくらで買ってもらえるのか、正確に知りたい場合は、個別にディーラーや買取店にご相談されることをおすすめいたします。

この記事が皆様のご参考になれば幸いです。