車のオークションの売り切りとは?競り価格の名前と意味を解説!

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上海交通大学修士課程修了後、新卒で中古車業界最大手に就職。営業の現場から経営戦略まで幅広く業務を経験。 2022年に(株)Contigoを設立。

オークションでは、車の売り切り価格が設定されていることがよくあります。

売り切り車両として競りにかけられているケースもありますが、売り切りとはどういう意味なのでしょうか。この記事では中古車オークションでよく出てくる売り切りの意味を詳しく解説します。

オークションで車を売るときに売り切り車両にするメリット・デメリットも紹介するので参考にしてください。

中古車オークションの3つの競り価格

中古車オークションでは競りによる車の売買がおこなわれています。

競り価格には3つの種類があるので、まずはそれぞれの意味を理解しておきましょう。

スタート価格

スタート価格はオークションでセリが開始されるときの価格です。

入札するにはスタート価格以上の金額にする必要があります。スタート価格を低くすると入札しやすくなりますが、競る時間が長くなるのを嫌う業者も多いため、入札を控える傾向があり、その結果として、落札価格も低くなるリスクがあるので慎重に決める必要があります。

売り切り価格

売り切り価格はオークションの最低落札価格です。

売り切り価格以上の金額で入札されなかった場合には、取引が不成立になります。例えば、80万円の売り切り価格を設定して、入札の最高額が70万円だったら取引を成立させずに車をオークション会場の規定の期間内に引き取ることになります。

90万円の入札があったら成約になって車を引き渡すことが可能です。80万円の入札があった時点で売り切り価格を超えたことがオークション参加者に示されるため、オークションが白熱するチャンスがあります。

このように適切な売り切り価格の設定は、競りによる価格高騰の引き金になるので重要です。

落札価格

落札価格はオークションで最終的に決まった取引価格です。

オークションの参加者が入札して競りを繰り広げていった結果として決まります。多くの業者に注目された車は落札価格が高額になることもよくあります。

駆け引きがおこなわれることも多いので、落札価格がいくらになるかはなかなか読めません。

売り切り車両とは?売り切り価格との違い

オークションでは売り切り車両もよく登場します。

売り切り車両とは売り切り価格が設定されている車ではありません。逆に売り切り価格が設定されていない車を指します。

売り切り車両とは、今回の出品でできる限り確実に売ることを目指して出品されているのが特徴です。

売り切り価格を設定すると、入札があっても取引が成立しない場合があります。

しかし、売り切り価格を設定しなければ、入札があった時点で売れることが確定するため、今回の出品で売れる可能性が飛躍的に高くなります。

売り切り価格を設定するメリット

売り切り価格を設定するとどのようなメリットがあるのでしょうか。売り切り価格を決める魅力を簡単に確認しておきましょう。

一定以上の金額で売れる

売り切り価格を決めて出品すれば、確実に一定以上の金額で売れるのがメリットです。

売り切り価格を設定すると、その金額よりも低い入札金額だった場合には取引が成立しないからです。

少なくとも手に入れたい金額が決まっている場合には、売り切り価格を設定した方が良いでしょう。

車の価値をアピールできる

売り切り価格を設定すれば、出品する車の価値を明確にアピールできます。

入札金額が売り切り価格を超えた時点でランプなどによって明示されるからです。様子を見ながら入札すべきかどうかを考えている業者もたくさんいます。

売り切り価格に到達したのを見て、突然競りに参入してくるケースも少なくありません。売り切り価格を超えた時点で多くの業者に価値を認められた車として認識され、競りが活発化する可能性があります。

売り切り価格を設定するデメリット

売り切り価格を設定にするとデメリットも発生します。設定するとどのようなリスクがあるのでしょうか。

流札になっていつまでも売れないリスクがある

売り切り価格を設定すると、金額が売り切り価格に到達しなかったら流札になります。

売り切り価格が高いと、いつまでも売れないリスクがあるのがデメリットです。もし売れなかったなら、売り切り価格を見直して、翌週のオークションに挑みましょう。

また、オークション会場から個別に「その車を◯◯万円で欲しい方がいるので売ってくれませんか」と個別にオファーがある場合があり、これを通称「後商」といいます。商談の内容に納得がいかなければ、断ることも可能です。

売れなくても手数料がかかる

オークションに出品するには手数料がかかるので、何度も出品していると余計な出費が増えてしまいます。

高く売れてもあまり利益にならないリスクがあるので注意が必要です。

売れない状況が続いてしまうとオークションを利用するメリットが半減するので、特に買ってくれる業者が見つかりにくそうなときには売り切り車両にした方が無難でしょう。

弊社の場合、万が一落札されなくても追加の出品手数料はいただいておりませんので、時間をかけて売り切り車両にするべきタイミングを見極めることができます。

まとめ

車のオークションでは売り切り車両にするか、売り切り価格をいくらにするかが重要です。

売れにくい車を速やかに売れるようにしたり、競りを白熱させて高額の落札価格にしたりするのに大きな効果を発揮するからです。オークションに出品するときには売り切り価格を慎重に考えて決めましょう。

車の状態によっては売り切り車両にした方が良いこともあるので、代行業者と相談して戦略を考えるのがおすすめです。

オークション代行はまだ一般的にはあまり知られていませんが、今後クルマの売り方の主流になっていく可能性があります。ぜひ、ひとつの手段としてご検討ください。